研修希望の方へ

専攻医研修プログラム

研修目標

眼科は、非常に専門性の高い科であり、視覚器(眼球、視神経、眼球付属器)という非常に小さいが、大きな役割を果たしている臓器を診療対象としています。このため診察方法、検査法、治療法も特殊性が高くなっています。眼科検査は、専門の検査員(主に視能訓練士)または眼科医が行うのが通常であり、他科と共通するものは少ないのです。

また、治療も薬物療法では、点眼治療が主体であり、手術は顕微鏡を使用したマイクロサージャリーが主体です。さらに近年の科学技術の進歩に伴って、新しい検査法・手術方法が次々に導入され、眼科医療は急速な変革を遂げ、進歩してきています。このため眼科専門医となるためにはかなり長い期間の研修が必要です。

なお、日本眼科学会の眼科専門医になるためには、医師臨床研修修了後4年以上の眼科研修、20件以上の眼内手術の執刀、1編以上の論文、2つ以上の学会発表が必要とされています。3年の研修期間中にこの数以上の手術、論文、学会発表を行うことが一つの大きな目標です。

また1年目で眼科検査・診断・レーザー治療・薬物療法・手術助手・緊急疾患の治療、2年目で白内障手術を修得することも目標となります。

1年目
  • 眼科検査
  • 診断
  • 薬物療法
  • 手術助手
  • レーザー治療
  • 緊急疾患の治療
  • 入院患者受け持ち
  • 論文投稿
2年目以降
1)院内
  • 白内障手術
  • 論文投稿
2)関連施設での研修
  • 外来診療
  • 学会発表
  • レーザー治療
4〜5年目
1)院内帰室
2)関連施設での研修

研修内容

1年次 2年次以降 3年次 4年次 5年次
入院患者受け持ち 100症例 200症例 300症例 300症例 300症例
眼底写真、蛍光眼底写真撮影と読影 100症例 100症例 200症例
眼瞼皮膚縫合 5症例
動的視野、静的視野 10症例
レーザー虹彩切開術 5症例 10症例
角膜、結膜縫合 10症例
白内障手術 10症例 20症例
網膜光凝固術 5症例 30症例
外 来 1回/週
学会報告 1回 1回 1回 1回/週 1回/週
論文投稿 1本 1本
眼科医専門医試験受験

取得可能な資格

眼科専門医

研修場所

基本的に杏林アイセンターで研修を行いますが、2年次以降に1年以上、外部の関連病院で研修を行います。

研修方法

診療チームの構成と指導体制

現在の診療チームは次のとおりです。各班をローテーションして各疾患の診療習得を目指します。

班名 担当医師
角膜班 山田 昌和 福井 正樹 久須見 有美
緑内障班 北 喜幸 山本 雅
水晶体班 松木 奈央子 久須見 有美
黄斑疾患 岡田 アナベル あやめ 片岡 恵子
網膜硝子体班 井上 真 厚東 隆志 石田 友香
神経眼科班 渡辺 敏樹 気賀澤 一輝
眼窩班 今野 公士 赤羽 麻祐子
小児眼科班 鈴木 由美 野地 将
眼炎症班 岡田 アナベル あやめ 慶野 博

週間予定

夕方VR回診
17:00
18:30
医局会、術前・術後カンファレンス総合カンファレンス(予演会・学術カンファ・研究カンファ・招待講演)(不定期)
8:00カンファレンス(抄読会、臨床カンファ、FAカンファ)(不定期)
19:00白内障手術ウエットラボ(不定期:院内・院外)

毎週:専門外来回診、医局会、術前カンファ
毎月:VR班勉強会、角膜勉強会、眼炎症勉強会、斜弱・小児勉強会
   主に専攻医向けの勉強会を、各専門班が開催しています。
不定期:オープンカンファレンス、予演会、ウェットラボ

研修修了後

専門医を取得するまでは、できるだけ幅広い経験を積むために各専門外来の患者に外来診療・処置、病棟担当医、手術助手として関わります。同時に、関連病院などへの出向を経てから、専門領域を選択しさらなるキャリアアップを目指してフェローとして深く勉強します。
各専門グループでは回診や勉強会が定期的に行なわれるため、先輩のアドバイスを参考にしながら興味のある、また適性のある専門をしっかりと選ぶことができます。

研修修了後のキャリアプラン

  1. 医員、助教または専攻医として引き続き杏林アイセンターにて勤務
  2. 外部関連病院勤務
  3. 学位取得、大学院進学
  4. 眼科クリニック開業
  5. 海外留学(学位取得後が望ましい)
    ※2024年度 米国クリーブランドアイクリニックへ1名留学

Hida Memorial Study Abroad Award

アイセンターの大恩師でいらっしゃる故樋田教授のご家族から頂いた寄付金を活躍するため「Hida Memorial Study Abroad Award」を設立いたしました。 杏林眼科学教室の永遠の発展を願っていた樋田先生の生前の強いご遺志を尊重し、このアワードでは若い先生のグローバルマインドを育成するため海外への短期研修(1~2週間程度)をサポートする事としています。

今までの受賞者

  • 2020年(第1回募集)中山真紀子先生
  • 2023年(第2回募集)コロナで申請なし
  • 2024年(第3回募集)水野雅春先生、横井匡先生

今後、アイセンターの一層の発展に向けて、海外での研修を希望される方々の次回のエントリーをお待ちしております。

外部関連病院

など